神戸日華実業協会  
イベント研修レポート社会貢献日華実業協会  
   
1神戸日華実業協会創立100周年に寄せて 2多様性、寛容、共生  ページトップ TOPページへ
 
1神戸日華実業協会創立100周年に寄せて         兵庫県知事   井戸 敏三
 
 一般社団法人神戸日華実業協会が創立100周年を迎えられ、その輝かしい足跡を綴る記念誌が発刊されます。心からお喜びします。
 今年は神戸華僑の原点、神戸開港から150年の節目でもあります。神戸の文明開化を描いた錦絵「摂州神戸海岸繁栄之図」には、港に浮かぶ外国船、海岸通りで賑わう人々とともに、日本人と商談を交す華僑の姿が見られます。
 開国当時、まだ交易に不慣れな日本人を支えたのが各地から移り住んだ華僑の人々でした。やがて神戸港の発展とともに、神戸華僑は地域社会に深く根をおろしていったのです。 
 神戸日華実業協会が設立された1917(大正6)年は、日中間の政治的緊張が高まっていた時期でもありました。そうしたなかで、両国の実業家が手を携える団体を日本で初めて設立することができたのは、神戸開港から築き上げてきた特別な信頼関係がこの地に根付いていたからに他なりません。
 以来皆様は、講演会や中国訪問、スポーツ・芸術活動などを通して、日中実業界の交流を図るとともに、神戸中華同文学校への支援や両国の災害被災地支援など、真摯な活動を重ねてこられました。幾多の困難を乗り越え、一世紀の長きにわたり、日中の経済発展と多文化共生に大きなご貢献をいただいてきた皆様に改めて感謝を申しあげます。
 今、国際社会の協調の流れが揺らぎつつあります。国と国の間では、時として意見の相違が生じますが、それを乗り越えていくためには、顔が見える交流を積み重ね、互いの文化や考え方を理解し、尊重しあう信頼関係を育んでいくことが大切です。また、多彩な交流こそが、新たな活力を生み、未来を拓く原動力になるのではないでしょうか。
 今年は、日中国交正常化45周年。また、本県と広東省が友好提携35周年を迎えています。この節目の年を、両国の交流が広がる飛躍の年にしなければなりません。この12月には、私も広東省を訪問します。中国ではいつも温かい歓迎をいただいてきただけに、今回も本当に楽しみです。多くの皆様とともに多彩な交流事業を展開し、両県省の絆を確かなものとしていきたいと思います。
 神戸日華実業協会の皆様におかれましても、ご支援ご協力をよろしくお願いいたします。
 本協会の設立にあたり、当時の兵庫県知事はこう期待を述べたと言います。「政治的意義を加味せざる、純然たる国民間の握手を永久的に結合せしむべし」と。その意味において、この100年は、まだ最初の一歩だと言えましょう。次の100年に向けて、神戸日華実業協会の今後ますますのご発展と、会員の皆さんのご健勝でのさらなるご活躍を心よりお祈りします。           

 
2多様性、寛容、共生                   神戸日華実業協会会長  植村 武雄   
 
 神戸日華実業協会は、本年、100周年を迎えました。4月8日には式典、祝賀会が兵庫県知事をはじめ、神戸市、中国駐大阪総領事館その他関係機関から多くのご来賓のご臨席を得て盛大に挙行されました。
 この100年間には、不幸な戦乱期もありましたし、国際化の進展とともに経済社会構は大きく姿を変えました。この激動に伴う幾多の困難を乗り越え今日を迎えられたのは、歴代の会長、役員そして会員各位の不断のご努力の賜であり心から感謝と敬意を表すものです。
 100周年の記念事業として、当会草創期以来折に触れ支援してまいりました中華同文学校には鉄棒10基を寄贈し、子供達の心身の健全な成長を祈りました。
 また、前年に生誕150周年の記念すべき年を迎えた孫文先生の偉業を改めて讃えることとし、孫文先生が特に好まれた「博愛」の文字を刻んだ石碑(新野幸次郎先生揮毫)を大倉山公園に設置しました。既設の「孫文先生の胸像」、「黎明の灯の碑」と並び設置され、同地は孫文ファンにとって「聖地」ともいうべき趣きとなりました。当会としてそのアピール、維持管理に努めて参りたいと思います。
 この100周年をひとつの節目として、神戸居住の華僑と日本人実業家により創設された本会が更に仲間を増やし、世代交代も進め、日中の親善友好、相互発展の礎を確かなものにしていきたいものです。孫文先生が唱えられた「王道」、「大アジア主義」、「実業計画」については時代を超えた普遍性を持つ理念と思いますが、この際現代的解釈について考察してみては如何でしょうか。
 現下の時代認識を表す言葉として、インダストリー4.0やソサエティ5.0といった表現が流布しています。前者は産業革命以来の産業経済の発展をトレースし、現代を第4次産業革命期と位置付けるものであり、後者は古代農耕文化社会以来の社会の変遷をトレースし現代を第5世代社会と位置付けるものですが、共にその基盤はITの発展普及としています。ITの発展普及は、効率を高め経済社会の発展に寄与し、グローバル化と相俟って多様で豊かな共生社会を創造するものと期待されましたが、豈図らんや現実には、画一化、一国主義、覇道志向を広め格差社会を蔓延させてしまいました。今こそ私たちは多様な価値観を認め合い、少数者に対する寛容と扶け合いの中で「博愛」を貫かなければなりません。
 これこそ、私たちの矜持というべきものでしょう。私たち神戸日華実業協会は多様性を尊重し、弱者に対する寛容と思い遣りを忘れずに、気張らず武張らず切磋琢磨し豊かな人間関係を築いていきたいものです。このような意味で神戸日華実業協会が会員各位にとって居心地の良い共生の場であり続けますよう祈念します。
   
 
   
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